2018年10月22日月曜日

高級布団を買わされた話|50万円の羽毛布団とは

近所にアム〇ェイみたいな小売りやってるババア奥さまが住んでいるのですが。
勧誘を断りきれなくて、使いもしない石鹸や垢擦りタオルとか、かれこれ200個くらい買わされてる佐藤です。


押し売りと言う商売がある。
いきなり家に押し掛けて、使いもしない、価値もわからない物を巧みな話術でその気にさせ、売りつける商売だ。

確かに商品は届くし、価格なんて言ったもん勝ちみたいな部分があるので、一概に詐欺とも言えず、警察に泣きついても民事非介入の一言で門前払いを食らう。
被害者は泣き寝入りしかないのか。

今日は、今から18年前に、実際に佐藤が50万円の布団を買っちまった話をしたいと思います。


■突然の来客

若い頃の佐藤は当時、大手電子機器メーカーのC社に入社し、製造工場のマシンオペレーターとして働いていた。
C社には社員寮があり、そこに住んでいたのだが、一般の新築アパートを全部屋借り上げと言う形で、マンションのような管理人もおらず、部外者も簡単に敷地内へ入れる。
事件は起きた。
男性専用の寮だったのだが、1階に住む社員のパンツ(男物)が大量に無くなると言う怪現象が起きており、その犯人が捕まった。犯人はアパートの大家(おっさん)だった。
すまない。話が大幅に脱線した。
ある日、佐藤の部屋のインターホンが鳴り、女性の声が聞こえる。
ドアを開けると、そこにはスーツ姿の美しい女性が立っていた。


■侵入の手口

この手の押し売りには様々な手口が存在するようだが、佐藤の場合はこうだ。
突然訪問してきた女性は、ドアを開くなり、かなり焦った様子で「トイレを貸して頂けませんか!」と言うのである。
冷静に考えてみれば、佐藤が住むのは寮の3階であり、エレベーターも無いケチくさい建物だ。
そこまで切羽詰まった状態で、上層階を訪ねてくると言うのが不自然であるが、佐藤は女性の美しさに見とれて、あろうことかあっさりと招き入れてしまった。
これが不運の始まりである。


■第1段階 世間話が始まる

女がトイレに立てこもり10分近くが経過。
テレビが無く、佐藤の部屋は静かなのだ。
リビングからは何を言ってるのかは聞き取れないが、何かゴニョゴニョと声が聞こえる。
恐らく、電話で本部に指示を仰いでいたのだと思われるが、この時の佐藤は、この後自分の身に降り掛かる悲劇を想像もしていなかった。
しばらくして、トイレから出てきた女がリビングへ入ってきてお礼を言うが、なぜかそのまま床に座り込み世間話が始まる。
まずは当たり障りのない天気などの話から始まり、最近のニュースや芸能人の話など。
そして、芸能人の流れからイケメン俳優の名前を出して、似てるって言われませんか?などとおだてに入ってくる。
気が付けば、佐藤はお茶を振る舞っていた…


■第2段階 寝具に触れる

話は盛り上がり、既に友達のように打ち解けている…と錯覚している。
この辺りから、女の身振り手振りが多くなるのだが、これは心理学的にも理に適ったテクニックらしい。
演説の天才と言われた、あのヒトラーや、歴代のアメリカ合衆国大統領なども大袈裟なジェスチャーで強い印象を植え付けたと言われるだけあって、段々と話に引き込まれていく。
気が付けば、女は部屋の物を手に取っては話題にし、佐藤もそれに答えると言う流れが出来上がっていた。
そして、女は佐藤のベッドに、まるで恋人かのように躊躇無く腰掛ける。
驚いた素振りでこう言うのだ。
これに寝てるんですか?寝心地悪くないですか?敷布団固いでしょう?掛け布団も重たいでしょう?買い替えないんですか?
そう言われるとそんな気がしてくる。
顔色悪いですね。お仕事キツいんじゃないですか?寝心地が悪いと疲れが取れないでしょう?
そう言われると、確かにそんな気がしてくる。


■第3段階 正体を明かす

実は私、布団のセールスをやってるんです。
名刺を突き付けられ少々混乱する佐藤。
冷静さを取り戻す前に、ガンガンとセールストークが炸裂する。
カバンからカタログを取り出して、あれこれと説明が始まり、質問しようにも話に割って入れない。
大体、こちらが口を開くのは、相手から訊ねられた時だけだ。
~ですよね?~だと思いませんか?~はどう思いますか?~は、~は…
そして、一通りの説明が終わったら、提案する商品が決まったのか、間髪入れずに最後の質問が飛んでくる。
~と、~。どちらがよろしいですか?
これも怖いところだ。
買うか否かと言う質問ではなく、買う前提で2種類の商品の中から、どちらが良いかと訊ねられる。
う~ん。こっち…ですかねえ。
買わないと言う選択肢があるにも関わらず、選択肢を絞って注意を逸らす、誤前提暗示と言う心理の隙を突いたテクニックである。


■第4段階 契約へ

そちらのお布団でしたら…これくらいですかね。
見積もりと思いきや、既に仕上がった契約書が目の前に置かれ、まるで購入が決まったかのように話が進み始める。
その価格、約50万円である。
さすがの佐藤もこれはヤバいと思い、すぐに買わないと言う意思表示をする。
と言うより、本当に良い物だとしても、こんな高価な布団は買えない。
買わされた車(後日お話します)の支払いもしたばかりだし、貯金も底を突き、細々と食い繋ぐのが精一杯なのだ。そんなお金はない。本当に無いのだ。
買わないと伝えた途端、事態が急変する。なんと、女が泣き出してしまったのだ。
どうして良いかわからず、動揺する佐藤。
女は泣きながらに生い立ちを語り始める。
早い話、自分がいかに不幸な人生を歩んできたかと言った類いの話だ。
そして、こう言うのだ。
先ほども、トイレの中で上司と電話で話をした。
今まで売り上げの成績も奮わず、今日、もし1件も契約を取れなかったら、職を失う。
そして、また以前のような辛い日々が始まるのだと。
佐藤は泣いた。
そして、気が付いた時には、女の姿はなく、自ら署名捺印をした契約書を握りしめていた。


■布団が届く

数日後、宅配業者が布団を持ってやってきた。
50万円の高級羽毛布団が到着である。
感動!!…したいところだが、それどころではない。
お金がないのだ。どうすれば良いのか。
まさに届いたその日から、早速布団業者から電話が掛かってくる。
口調は優しいが、早い話、はよ払えや!と言う催促である。
我に返った佐藤は、社会だか家庭科だかの授業で習ったクーリングオフと言う制度を思い出し、返品したい旨を伝えるが。
はあ?返品?困りますよ。納得されてご契約頂いているのですから、返品は無理ですよ。
と強気で返されてしまうと、無知な佐藤はクーリングオフはできないものだと思い込んでしまう。
佐藤は半泣きで走った。近所の"むじ〇くん"へ。
後日、生活費を捻出するために車も売った。
150万円で買わされた車は、わずか買い取り2万円だった…
そして、布団業者とア〇ムに、まんまと毟り取られたのである。


現在ではインターネットも普及し、情報はいくらでも手に入りますので、いろいろな悪徳商法の手口も予備知識として知っておいて損はないです。

まず引っ掛からないことが一番ですが、万が一引っ掛かってしまっても、押し売りは確実にクーリングオフも有効なので、事前に調べて、正しい知識を身に付けた上で冷静に対応しましょう。

他の詐欺なども、内容によっては支払い義務を負う必要がない場合も多いですし、脅しに屈せず、警察や弁護士などへ相談することをお勧めします。

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